ANGRA : 『Temple of Shadows』


新生ANGRA、復活後2作目となる5thアルバム。もうANGRAといえば『Angels Cry』が真っ先に思い浮かぶほど、『Angels Cry』は大好きなアルバムだ。正直なところ『Angels Cry』を超える衝撃はまったく期待してなかったんだけど、ガツンときたよこれ。もうM1"Deus Le Volt!“→M2"Spread Your Fire"への流れで早くもノックアウト寸前。どうしてもこの、クラシカルイントロ?超疾走メロディックという流れに弱いのだ。

M4"Waiting Silence"ではどことなくDREAM THEATERを彷彿とさせるプログレ、イントロからツインリード弾きまくりが炸裂し、GAMMA RAYのカイ・ハンセンがゲスト参加と熱いことこの上ないM6"The Temple of Hate”、かと思えばフラメンコギターをイントロでフューチャーしているM7"The Shadow Hunter”、映画のラストシーンの如く、大仰なまでにドラマティックに展開するM12"Late Redemption”、とまったく気を抜く暇なし。表現力、テクニック、アレンジ、まったく完璧……おなかいっぱいdeath。

QUEENSRYCHの『OPERATION:MINDCRIME』、DREAM THEATERの『METROPOLIS Pt2 SCENES FROM A MEMORY』が今まで俺的には「メタル界の2大コンセプトアルバム」だったのだが、本日ただ今から『Temple of Shadows』を含めて3大コンセプトアルバムと勝手に呼ぶことにする。それほど、非常に完成度の高いコセンプトアルバムだと思う。通して聴いて、ストーリーや情景がこんなにも見えてくる、まるで映画のようなアルバム、そうそうないでしょ。十字軍、Knights of the Temple、ヨハネの黙示録等といった俺の大好きなキーワード満載だし。

でもやっぱこのアルバム聴いて、まず驚かされたのはヴォーカルエドゥ・ファラスキの懐の深さ。ZWYさんのレビューではアルバムを通してのヴォーカルと曲の緩急についてこう言及している。

俺的評価はもっと高くて、このアルバムの美味しいところを引き出して、かつコンセプトアルバムとしてのトータルバランスを取る最大のキーになっているのは、エドゥ・ファラスキの歌唱力ではないかと。前作でも上手いと思ったけど、正直ここまでとは……とりあえずお気に入りヴォーカリストとして、俺の少ない脳みそにメモリーされたことは間違いない。