音によるイマジネーション


あからさまにオタク丸出しの会話を繰り広げる会社の先輩(あ、いっとくけどオタクな人が嫌いとかそういうことはアリマセン。何事も「極まった」人は凄いと素直に思う)。俺の目の前に座っているS先輩である。S先輩のさらに先輩(というか上司?よく知らない)であるM氏が、昼休みなどにS先輩のもとにやってきて、やれモーニング娘。がどうしたとか、そんな話ばかりしている。別に趣味なんだし、好きなもんは好きなんだから、まぁいいんだけど。普段はまったく部外者であるこの俺が、どういうわけか突然に話題を振られた。「ねぇねぇ、モーニング娘。って今何人いるか知ってる?」とかいきなり聞かれ、本気でわからないのでいやぁ知りませんと即答して会話終了だったのだが。ここで、「イングヴェイのバンドの歴代ヴォーカリスト名なら言えますが」とか言って喋りだしたらどうなっただろうか。それはそれとして、これって探りを入れられたのか?俺を仲間にしたかったのか?まぁ俺だってメタルと車に関してはオタクって言ってしまえばオタクなわけで。その他結構訳のわからない知識(ガンダムに出てくる、一度しか名前を呼ばれない雑魚キャラの名前とか、セーラームーンの敵の名前とか…)をたまに披露して、「無駄に脳のメモリーを使っている」などと言われたりするのだが。っつーか、もしかして「オタクって言ってしまえばオタク」とかじゃなく、普通にオタクですか。そうですか。

なんか「戦後最大級の台風」とかニュースで騒いでいて、定時前の16:30頃に「今日はとっとと帰りやがってください」と言われスゴスゴと帰路につく。いつもなら電車はかなり空いてる時間帯なのであろうが、早く帰らせる会社が多かったようで異様に混んでいた。確かに雨脚は強かったけど、思ったほど酷くなして肩すかしを食らった感じ。ビビってベランダの物干し竿、部屋に入れたのに。上手い具合に直撃を避けたようで、まぁ良かった良かった。

昨日の深夜、「聴覚室」という番組をフジで観た。30日深夜が音の恐怖、1日深夜は音の笑い、がテーマな様子。今までにないコンセプトの番組だったので期待して観たのだが、想像以上に怖かった。特に最後の2話はもう色々妄想が広がっちゃって、俺の脳内は大変なことに。最後の話しの冒頭、キャベツかなにかを包丁で千切りにする音と、赤ん坊の泣き声。もう既にココで頭の中で勝手にストーリーが進行して、実際に放送されてるストーリーとは無関係に、頭の中でどんどん恐ろしく猟奇的な映像が浮かんでは消える。すげー面白かったので、これは是非ともシリーズ化するなり、ビデオ化するなりして欲しいところ。昔「弟切草」「かまいたちの夜」などのサウンドノベルなるゲームが流行ったが、あれと似た感じか。でもあれはサウンドノベル…音付きの小説である。文字を読む通りにしかストーリーは展開しないのである。それに対してあの番組は、会話と日常的な音と、殆ど制止画と言っていい程度の映像のみ。ホラー映画のワンシーンで、壁に掛かっている絵とか、テーブルに乗っているコップだとかがずーっと映し出されていて、「ドガッッ!!…グボッ…グチャズブッ…グジュッ…ズルズルズル…..」とかいう音だけが聞こえる。そんな感じ。誰が、何を、どのようにどうしてるのか…全てご想像にお任せします、みたいな。