鎌倉と富士山と中華街(後編)


時間がないのでそそくさと長谷寺を後にし、夕焼けを見に稲村ヶ崎へ向かう。稲村ヶ崎と言えば「稲村ジェーン」ですな。サザンの歌しか記憶に残っていないが。どんな内容だったのか、誰が出ていたのかまるで覚えていない。ただ、稲村ヶ崎が出てきたのだけは覚えてるんだけど。るるぶに載っている写真には富士山まで綺麗に写っているのだが、さて今日は見えるのか?微妙に期待しつつ行ってみる。少し早めに到着したが、すでに夕焼けReady!!なカップルやカメラを持った人々が沢山。海岸沿いのフェンスそばで夕焼けを待ち構えようと思ったが、隅っこにあからさまに「安らかに眠れ」系のお花が備えてあってシオシオ…。気分を変えて上に登ってみることにする。タバコを一服していると、いつのまにか姉ちゃんはその辺のおっさんから情報収集中。すげぇ行動力だ。おっさんはここの景色については一家言あるといった風で、そりゃもう嬉しそうに雲の形や富士山の見え方などについて語っていた。つうか姉ちゃん、聞き上手。おっさんの話で時間を潰しているうちに、徐々に空が焼けていき、なかなか立派な景色になる。おっさん曰く「もっとすげぇのを見てるので、この程度じゃ写真を撮る気が起きんな、がっはっは」だそうだが。俺らにしてみれば綺麗な夕焼け、麓に雲のかかった富士山、海、江ノ島と最高のシチュエーションに大満足。

道も混んできたし、時間的にそろそろ帰らねばな感じになってきた。帰る前に、中華街に寄ってご飯を食べようということになり、横浜を目指す。横浜市に住んでいながら、実は中華街にもまだ行ってない俺。なんとも初体験の多い一日だな。下道をのらりくらり、「アイアムサム」のサントラを聴きながらマターリと。姉ちゃんは助手席で爆睡モードに入っていたので、ちょっとボリュームを下げたのだが、カーナビが「ピンポ??ン♪この先700mで斜め右です」。結構音がデカイ。ボリュームを下げようと試みるが、さすがに運転しながら慣れないカーナビをいじるのは危ないのでやめておく。注意一秒ケガ一生といいますからな。起こしてしまわないかドキドキしていたが、全然へこたれる様子なく眠っておられました。が、あと10分で着くかなという頃に目覚めるあたりはさすが…中華の匂いを嗅ぎ付けたご様子。横浜スタジアムそばの地下駐車場に車を停める。ここの地下駐車場、なんか近未来的でカッコイイ。上手く口では説明できんが、ロボットアニメに出てきそうな感じの、ギミックに満ちた駐車場なのだ。ガシャーン!シャキーン!クイーーーン…ガコーン!みたいな。わけわからん。まぁともかく、「あぁ!この門テレビで見たことある!」みたいな田舎モノ丸出しで中華街へ侵入。適当な店に入って\2500のコースを注文し、二人してガツガツ食う。食欲というものは、人間の欲求の中でも次元の低い、すなわち野生に近いものであるわけで。お上品にフランス料理、なんて気取ると料理を待っている間にイラついていけませぬ。その点、入った店はいいペースでがんがん料理が出てきて満足度高し。単に閉店間際だったから出てくるのが早かったのではないか、と今になってみて思うが、まぁいい。ちょっと薄味系だったのも俺的にイケテル。

帰りは神楽坂に帰るか、たまプラに帰るか…たまプラ駅のそばにも同じレンタカー屋があるので、乗り捨て料金を払えば問題ない。姉ちゃんはそっから電車で帰るといってくれ、カーナビにたまプラをセットする。が、電話で確認を取って見ると、乗り捨て料金\4000だというのでヤメ。結構高いんですな。素直に神楽坂へ戻ることにする。

密かにカーナビはたまプラ行きのままになっており、気がついたのは港北ICを降りてからだった…うひぃ。仕方がないのでそこから下道でマターリ帰る。着いたときには終電3分前で、後始末はお任せして電車に飛び乗り…うぅ済まねぇ。お金は全部出すというのに甘えて、本当に全部出してもらってしまったが、いいだろうか。いや、それ以上に気になるのは、「ほとんど普通に観光してたけど、本当に仕事の役に立つんかい?」ってことで(笑)。